角帯の作り方”糸の撚糸”

糸は織りやすく、扱いやすくする為に”撚糸(ねんし)”と呼ばれる工程があります。これは糸を何本か撚り合わせる、糸に撚り(より)をかける作業です。上の二本の糸の撚りが違うのがわかるでしょうか?左の方がキリッと、右の方が軽く撚っております。

左側の糸は諸(もろ)撚りと言って、軽く撚り合わせた糸を二本反対方向にもう一度撚り合わせています。しっかりと撚ってあるので、扱いやすい糸です。しっかりと撚ってある分、光沢は少なくなりますが。

右側の糸は片寄りと言って、一方向に糸を撚り合わせた物です。絹本来の光沢がありますが、若干の毛羽もあり、案外扱いにくい糸です。

他にも撚糸のやり方はいろいろありますが、何を作るかによって糸を選択しております。選択によって、光沢のある角帯だったり、しなやかな角帯だったり特徴がでてくるものです。