角帯製作の現場

宝来屋で角帯を織る織機(しよっき)は、米沢で70年前に製造されたものです。今は電子精密機器を製造されている”岡村”と言う会社さんの織機。力織機とかシャトル織機とも呼ばれるこの織機は、たて糸を上下させたる間に、シャトル(杼ともいいます)を左右に走らせ、よこ糸を組み合わせて織り込んでいきます。

このタイプの織機は1つのモーターで、上下、左右、回転など色んな動きを連動することができる優れもの。日本で初めて作られたのが、現在のトヨタの御先祖様で、豊田佐吉さんという方が明治23年に作られました。ギヤやシャトルの動きが絶妙でメカ好きにはたまらない構造です。私も入社した時はずっとこの動きを見ていました。

この織機は現在角帯を織っていますが、仕掛けと言われるたて糸を上げ下げする道具を替え、織物の巾を決める”筬(おさ)”やたて糸の太さなどを替えたりすると、着物地も織ることができます。

当社の織姫は、毎日この織機と向き合い、よこ糸の補充や生地が正確に織られているかどうかの確認をしております。